契約合意・契約不成立ってどんな時?/ジュエリーに使える民法
あなたはお客様にオーダーメイドでシルバーネックレスデザインの注文を受けました。あなたはCADを使ってデータ作成し、それを元に鋳造・商品作成を行いました。商品が完成し、納品時にCADを使って作成したことをやりとりの中で伝えたところ、「デザイン料を払っているからCADデータもよこせ」と言われたとします。あなただったらどう説明しますか?
契約不成立とは
そもそも、著作権的にも、データを渡す必要はありません。(著作権法)
そしてあなたはネックレスの完成品をお渡しする契約をしたのであって、契約時にその作成データを渡すという約束はしていません。加工の依頼を受けたのであって、データを含めるという契約はしていないのです。
契約時とは、依頼・受諾が合意した時のことを言います。契約時に合意をしていなかった(当事者間で合意事項がない)場合には、当事者間は契約関係にないので(契約不成立)お互いに契約に基づいた義務の履行をする必要はありませんし、義務の履行請求があった場合(データを渡せ)は「契約をしていないので、そのような義務はありません」と反論することができます。
説明するときは
上記のような場合、「そいういう契約をしておりません」以上、終了でOKなのです。
著作権のこと等をこういうことを言い出す人に伝えても、勘違いをさらに助長させるだけですし、あなたがその人に著作権や民法の講義をしてあげる義理もありませんよね。
誤解をされない対処法
とは言っても、相手に勘違いを起こさせない対処も必要ですよね。思い違いでトラブルはお互いに避けたいものです。
分かりやすい契約書・請求書を作る
請求書に「シルバーネックレス」と書いておけば、書いてあるにもかかわらずデータも含めるはず、という主張をしてこられた場合にも「それは契約してないですよね」といいやすくなります。
HP等に著作権についての項目を作る
アンリガトウのHPにも著作権のページがあります。デザインの著作権と譲渡の場合の相場
このページを、HPの著作権が発生する箇所に埋め込んでおくことで、ご依頼された場合にもここ読んでおいてね、と伝えて著作権についてのあなたの考え方や方針を相手に伝えることができます。
ジュエリーデザイナープロデュースコースでは、こういったジュエリーに携わる上で必要な情報もお伝えしております。お気軽にお問い合わせください。