民訴法230条 証拠 – 書証 – 文書の成立の真正を争った者に対する過料/ジュエリーに使える民事訴訟法
- 当事者又はその代理人が故意又は重大な過失により真実に反して文書の成立の真正を争ったときは、裁判所は、決定で、10万円以下の過料に処する。
- 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
- 第1項の場合において、文書の成立の真正を争った当事者又は代理人が訴訟の係属中にその文書の成立が真正であることを認めたときは、裁判所は、事情により、同項の決定を取り消すことができる。
文書の成立にいちゃもんつけられたら
ちょっと面白い法令を見つけました。
例えば、ケーキやさんで似顔絵ケーキを販売しているとします。
写真を使って、ケーキにプリントできる技術は難しく、他に真似できないものです。
あるお客様が、こんなデザインをして欲しいとケーキ屋さんに似顔絵を持ち込みました。そして、このデザインでケーキを作成して欲しいと申し込み、承諾を得ています。(=合意)
しかし、受け取り時にそのお客様が自分が持ち込んだ似顔絵を元に、ケーキを作ったのだから、その似顔絵データも私のものだ!と主張したとします。(そんなことは普通ないでしょうが)
でも売買契約成立時にケーキを作成することに関して合意しており、作成データお渡しを含みますなんて契約はしていない。明細にも「ケーキ代」とある。
その場合に、裁判所は証拠上「そんなのちょっと調べればわかること」に対して、手間を取らせたというペナルティとして10万円の過料に課すことがあるとしているのです。
そしてこれ、当事者のみならず、依頼をうけた弁護士=代理人個人が過料に課せられることもあるということです。これは裁判所から弁護士として過料に課せられたら結構恥ずかしい話ですよねw
この法令が定められている理由
(裁判所及び当事者の責務)
第二条 裁判所は、民事訴訟が公正かつ迅速に行われるように努め、当事者は、信義に従い誠実に民事訴訟を追行しなければならない。
法律の趣旨は、いちゃもんをつけることによって訴訟遅延を起こした者への制裁ということ。当事者に対しても誠実に対応する義務を課している規定ということですね。
民法や法律って、本当にまっとうな仕事をする人を守ってくれるものなんだなと勉強するにつれて理解が深まり、ますます興味が湧いております。
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