東京商工会議所主催・お客様が神様じゃなかったら ~カスタマー・ハラスメント対応術~/受講レポ

東京商工会議所が主催している「お客様が神様じゃなかったら ~カスタマー・ハラスメント対応術~」を受講してきました。とても有意義なセミナーでしたので忘備録も兼ねてレポします。

カスハラ対策に国も問題意識を持っている

カスタマーハラスメント、略してカスハラです。2020年10月18日に、厚生労働省はカスタマー対策を国として示す必要があると判断して、次年度概算要求に1700万円を形状しています。カスハラ対応マニュアルを策定へ 厚労省、企業向けに来年度

カスタマーハラスメントでうつ病等を発症している人が多くなり、それに国としても対策をしようとしています。カスハラを受けると、相手の意図が理解できず混乱して動揺してしまいますよね。そしてこちらを屈服させようとする執拗な要求にイライラします。また、責任感がある方だと、この人の言ってること明らかにおかしいけれど、それは自分が悪いことしたのかな?と責任を感じてしまいがちであったり、対応の方法がわからなくてパニックになった場合にあっても現状サポート体制がなく、孤立してしまうことが問題となっています。

 

カスハラとクレームの違い

まず、クレームには3種類あります。
1,普通のクレーム=こちらに非があるもの
2,悪質クレーム=金品等を目的としたもの。計画的であり冷静な場合が多い
3,カスハラ=お客様だった方が突然言い出した、感情的なもの。自分は客だからと上から目線で言ってくることで理不尽になっていくというものです。

まずは起きているクレームがどれに当てはまるのか見極める必要があります。

 

クレームの種類見極め方と対処

普通のクレームには、こちらに非があるものなので、誠意とスピード感を持って対応すること。上の立場の人間が迅速に訪問することが望ましいとされています。

悪質クレームは、金目当てや嫌がらせを目的としています。これに対しては、毅然とした態度で対応をすることが求められます。意思をしっかりして動じないことが大事で、ブレちゃうと向こうの思うツボということですね。悪質クレームに当てはまるセリフとは「どうしてくれんだよ」「誠意を見せろ(お前が判断してどうにかしろ」の2つです。

カスハラは、もともとお客様だった方が急に理不尽なクレームを言ってくるものなので、最初から毅然とした対応ができにくいということがいえます。

では理不尽とはどういうことなのでしょう。自己中心的にの基準で物事を考えて発する人が「言わなきゃ損」「謝らせるぞ」という変な目的意識を持っていちゃもんつけてくることですね。

 

対応は
1,まず相手に喋らせて目的を見極めます。(5分くらいで十分)
2,相手が言っていることに理があるのか、事実を確認して責任の有無と範囲を確認します。
3,これはカスハラだな、と判断したら毅然とした態度に切り替えます。
4,業務に支障が出ていることをはっきり伝えます。(30分も対応したら充分言っていい)
5,張り紙には抑止効果がありますので、積極的に使いましょう。
(例:病院内や電車等で。暴力行為は許しません、とうのポスター見たことありますよね、あれも一定の効果があるとのこと)
6,過剰対応をしないこと。

過剰対応とは、値引きをしたりおまけをつけたりすることですね。
過剰対応をしてはいけない理由は、不公平であること、再発の危険が大きくなることがあげられます。

 

サポート体制

対応している人がトラブルにあっている時、周りが知らぬ存ぜぬだとその人一人が矢面に立って孤立してしまいます。それが原因でうつ病を発症する等本当に増えているそうです。サポート体制としては

1,大声が聞こえたら
2,カスハラだと分かったら
3,5分以上対応にかかっていたら
助けに入ることを目安としましょう。

 

「被害届を出してください」と相手に勧める

明らかに理不尽な要求をされて、それを飲む理由はどこにもありません。そして訴えて、恥をかくのはその方の責任です。訴えられたらどうしよう、と思ってしまいがちですが、何も心配いりません。こちらに非がなく、理不尽なことを言われているのであれば、何も問題ありませんので「被害届を出してください」と勧めましょう。

 

6つの刑法知識

 

刑法130条 不退去罪

居座られて「お引き取りを」と言っても立ち去らない場合に当てはまります。これ、「お取り引きを」と言わないと適応にならないそうなので注意!(3年以下10万円以下の罰金)

 

刑法222条 脅迫罪

謝罪や提案を無視して、執拗に繰り返された場合に当てはまります。
(2年以下・30万円以下の罰金)

 

刑法223条 強要罪

土下座を強要された場合ですね。これも罰金形がつかず、即懲役の対象になっています。
(昔いた職場で、お客様に店長が土下座させられたと聞いたことがあったのですが、これ適応されてたらあのお客様たちは「前科者」になっていたというわけで。)

 

刑法233条 偽計業務妨害罪

陥れるために作り話をばら撒く、SNSで嘘の情報を伝える等をされた時に当てはまります。(3年以下の懲役・50万円以下の罰金)

 

刑法234条 威力業務妨害罪

大声を出す、カウンターを叩く、〜〜するぞと危害を予告する等。迷惑をかけたりして、無理にでも要求を遠そうとされた場合に当てはまります。(3年以下の懲役、50万円以下の罰金)

 

刑法249条 恐喝罪

金品を脅し取ろうとされた時に当てはまります。(10年以下の懲役)
(昔、カツアゲって聞きましたよね、あれって罰金刑なく即懲役なんですって。)
具体的に金品を要求されたら即、「通報」です。だから、「誠意を見せろ」とか言ってくるわけですねw

 

 

 

法律はまっとうな人を守ってくれるもの

罰金は、「前科」になります。
それに対して、過料とは業務上の義務違反になるので、前科にはならないんですね。
ブログにもした、 文書の成立の真正を争った者に対する過料がまさに過料です。

無理難題を言ってくる人は本当に結構いるそうで、遺品でもらったジュエリーを、返品(返金)してくれと言ってくる人がいたり、
3年きた服や使ったバッグを、返品(返金)してくれと言ってくる等、まあ、、、常識って人それぞれだけどそれはいかがなものかしら、ということを言ってくる人がどの業界にもいるんだな・・・・ということが分かったセミナーでした。

理不尽な要求をされたら警察へ

理不尽な要求をされたら、警察に110番しましょう。自分たちで対応しなければと抱え込まず、器物破損等があった場合には証拠を持つか写真を撮って提出します。

クレームについて相談したいときは警察相談専用電話「♯9110」

とはいえ、110番って結構ハードル高いですよねw
そんな時は#9110が便利です。クレームはもちろん、お困りごとにも相談に乗ってくれるそうですよ!
このほかにも、各警察署の相談係も頼れる存在です。警察って、悪いことしてなくてもハードル高めですが、悪いことしていなくて、迷惑をかけられているなら、バンバン頼っちゃいましょう!だって税金納めてるし!(笑)

 

この講師の方は著書も出されているそうです。今回受けたセミナー内容をより深掘りできるもののようなので、困ったお客様の対応にお困りの方はご一読を。