枠検を設定する理由、それは「作る過程」もデザインの一部だから。私が枠検を行う意味

本日はジュエリーリデザインの途中段階チェック(枠検)でした。
(枠を検討していただく、なので「枠検」と呼ばれています。)
枠検を設定せず、図面を確認した後、次には完成品が渡される、
というシステムのジュエリーショップもたくさんあるなかで
私が枠検を設定しているのは「作る過程」もデザインの一部として
楽しんでいただきたいからです。

枠検とは

ブライダルリングやジュエリーリデザインをご依頼いただいた際、
デザイン画をお描きして、デザインを確認していただきます。
お客様から「このデザインでOK!」とご了承をいただいたら、
それを加工職人さんへ渡し、加工がスタートします。
本当は、そのまま私だけで仕上げ前の商品を確認し、
仕上げたものをお客様へお納めする、という方法の方が「楽」です。
一旦職人の手を止めて、お客様とのスケジュールを合わせ、
場所を設定してみていただく。
時間も手間もかかります。
でも、私はこの段階をとても大事にしているのです。
その理由は3つ。

ちょっとの不安も0にするため

通常、ジュエリーショップで購入した商品って、
もう石も留まっている完成品、ですよね。
それをリングであれば自分のサイズに「近い」ものを選んで購入する。
でも私は「オーダーメイド」でジュエリーをお作りしているので
「枠がない」ところから絵を形にしていくのです。
私がお客様だったら不安だろうな、と思うのです。
例えば、パヴェセッティング(石を敷き詰めたような留め方)のリング。
もし、これが絵を見てOKだったから、と
いきなり完成したら。
「もし」仕上がったジュエリーの
ボリュームが太すぎる、と感じた場合も修正は難しくなります。
でも、途中段階の石留前を見ることができたら、
「ちょっと太いから細くしたい」という希望を叶えることができるのですよ。
「あるものを減らす」方向での微調整が可能になっている
アンリガトウの製作方法、実はとても珍しいのです。
本来、手間がかかるから職人さんは嫌がる。
それに「これでOKだしたのはお客様です」とも
たしかに言えてしまう。
でも、お客様は私たちほど「デザイン図面」を見慣れていないのです。
打ち合わせの際に不安がないよう、イメージが確実に形にできるよう
いろんな角度から確認はしますが、本当に小さいところのイメージも
叶えたものをお造りしたい。そう思っているのです。
 

ジュエリーを作る過程も楽しんで欲しいから

普通、完成品を購入するしかないジュエリー。
でもせっかく石が留まる前が見られるのであればみたい!
という声にお応えするためです。
自分の宝物が、こんな風に作られていくのだ、ということを
見られるのって、私だったらうれしい。
もちろん、時間にゆとりがなくどうしても途中段階を見られない、という
場合や遠方のお客様には、動画で撮影したり、いろんな角度で写真をとったりして
できる限りイメージに近いものをお渡しできるようにしています。

ご依頼いただいた方のジュエリーとして愛着を持っていただくため

私は、100万あるからこれで適当におすすめの商品作ってよ、
というオーダーはお受けしておりません。
そこに「愛」を感じないからです。
ジュエリーは高級品です。
富の象徴と見る方も確かにいます。
でも、私はそれだけではないと思っているのです。
ジュエリーって、
すぐに変質しない。長い時間身につけることができるアイテムです。
だからこそ、その時の気持ちを形にして贈り、身につけることができる。
わたしにとってのジュエリーは「ありがとう」を形にして伝える手段の一つです。
 
宝物を、ちょっとづつ完成する過程をご覧になっていただくことで
その成長する過程を見ていただくことで、よりそのジュエリーに
愛着を感じていただけたら。こんなに嬉しいことはありません。
 
オーダーのご相談・お見積もりまで無料です。
あなたの宝物をつくるお手伝いをいたします。
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